ano 240731

ライブレポート

2024年07月31日(水)18:30~
ano TOUR 2024「絶絶絶蟆セ蟠惹ク也阜隕ウ絶絶絶絶險ア雖∝・ス絶絶対聖域」
@Zepp DiverCity
Y5,500

あのちゃんのライブです。
アイドル出身でタレントとしても活躍してますが、ミュージシャンとして強い個性と才能を感じてました。だから実力のわかるライブを見に行きたかったのです。

ライブツアー7公演の最終日です。文字化けのようなツアータイトルです。電子チケットだったので、一瞬ダンロードエラーかと思いました。これは面倒なことになるかと思ったら、正式タイトルなので安心しました。しかし、これどう読むのか?どうも「絶」の部分だけ読むようです。つまり、「絶絶絶絶絶絶絶絶絶対聖域」と言うことらしい。

ということでZeppは満員です。観客はいろんな人がいてバラエティに富んでます。いつも行くロック系ガールズバンドとは雰囲気が全然違います。客入れ曲はNEE、銀杏BOYZ、キタニタツヤ、小山田壮平、ME:Iなど、聞いたことない人ばかりでアウェイ感もひとしおです。けれど、なかなかいい曲でした。なるほど、こういう曲が好きなんだと、とても納得できました。

ちょっと気になることがあった。こんな動画があるのだ。
https://youtu.be/_VnUD4gYH2I?t=13
SiM主催のフェスだからこうなるんだと思う。そういうフェスだからね。ano単独ライブならこうはならないはず。しかし、どうなるかは分かりません。音楽が楽しめる環境であることを祈るだけです。事前アナウンスでリフト禁止と言っていたので、荒れることはないだろうと少し安心しました。

ほぼ時間通りに始まり、最初から全開です。全編サビみたいな猛烈な歌い方です。バンドはギター、ベース、ドラムとシンプルです。相対性理論のメンバーだった人たちのようです。もちろん同期音源もたくさん使いますが、全体の印象としては、シンプルでハードなロックになってます。当然のこと、その中心はanoのボーカルです。ボーカルとしての基礎体力がないと成立しない構成でしょう。
フロアも荒れませんでした。みんな普通に手を上げて応援してます。ちゃんと音楽を聞いてレスポンスしてます。私も心から楽しめました。良かったです。

それでanoの歌はどうなのか?
実際に生で聞いてみて、これは間違いなく上手いです。いわゆるディーバ的歌唱ではないが、自分が表現したいように自由に歌ってると思う。ここは大切なところです。自在に、正確に声を出してるでしょう。怒鳴るようなデスボイス的シャウトも出せます。
今はマニピュレーターが凄いので、口パクをやっても普通の観客には分からないようです。口パクまでいかなくても、歌唱を重ねる中間的な手法もあります。けっこうなベテランもやっているようです。しかし、anoの自由な歌唱は生でしかありえないと思った。正真正銘の生ボーカルでしょう。
歌唱の体系が普通とはちょっと違うのでしょう。甲高いアニメ声みたいのを出すので、拒否反応がある人もいるかもしれません。しかし、そういうものだと受け入れて聞いてみてください。きっと自由な歌唱が気持ちよく聞けると思います。

トークは苦手だと本人も言ってますが、確かに支離滅裂になってました。この世に絶対はないと断言したかと思うと、ぼくとみんながここに居たことは絶対だ、とか頻繁に絶対を使います。本人もおかしいと気づいているようですが、どうにもならないようです。次の曲が「絶絶絶絶対聖域」だったので、それに関するトークをノープランではじめたのでしょう。でも矛盾だらけなのが人間です。いっそ清々しいトークでした。
支離滅裂に聞こえるけど、そこには真実が含まれてました。
「ぽくはみんなの理想にはなれないし、なる気もない。だから応援してれと言ったことはない。けれどぼくの見てる景色を見せてあげる自信はある」
こんな意味のことを言ってた。あのちゃん、カッコよすぎるぜ。みんな二言目には「応援してくれ」って言うんだよ。つまり、こんなセリフを吐けるのはあのちゃんくらいしかいないのです。貴重な発言でした。

全体に楽しかったです。「スマイルあげない」「普変」「ちゅ多様性」「F Wonderful World」「絶絶絶絶対聖域」など、私でもよく知ってるポップな曲をどんどん演奏します。楽しいです。歌詞を知ってれば一緒に歌うところです。「AIDA」は感動的な歌で、涙が滲むほどでした。

アンコールも含めて全18曲、90分のライブでした。ぶっきらぼうですが楽しませようとする姿勢を強く感じました。
ちょっと短めでしたが、丁度いいかなとも思った。ちょっと足りないくらいの方が後味がいいです。来てよかったなと爽やかな余韻を持って帰途につけました。

ano TOUR 2024 追加公演「絶対聖域」も決定したようです。
彼女の歌がちょっとでも気に入ったら、試しに見に行ってください。きっと楽しい経験になると思います。

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