TRiDENT 240212

ライブレポート

2024-02-12
TRiDENT Dream Up TOUR
@Zepp Shinjuku
Y3,500

TRiDENTを最初に見たのは、ガールズロックバンド革命と名乗っていた2015年でした。ちょっと気負ったところのある若いバンドでしたが、音はなかなかタイトで気に入りました。それからも時々ライブに行ってます。2020年にドラムがJUNNAからNAGASEにチェンジしたのを機に、再始動としてTRiDENTと改名しました。当人たちの中ではそこで区切りがついているようです。

今回はミニアルバムDream Upのリリース記念、名阪神3カ所のツアー最終日です。場所はZepp Shinjuku、2023年4月にオープンした新しいライブハウスです。PA設備は充実してます。3列のラインアレイスピーカーは見た目にもたのもしいです。その下にもウーハー群が設置してあります。素晴らしい施設で期待できます。しかし、言いたいこともあります。ドリンク代は交通系電子決済オンリー、物販はPayPayか現金、ロッカーは現金だけです。こういうの便利と言うんでしょうか?ドリンク代も現金可にすれば問題ないでしょう。

キャパは1500人です。だいたい満員に見えますが、カメラスペースなども広くとってあり、動員は800人ぐらいと推定しました。彼女たちは今までで一番多いとは言ってましたね。
客入れ曲は多彩でした。ジョーン・ジェットからNizU、結束バンドまで、さすが今を生きる若いバンドだなと思いました。私がまったく聞かないジャンルもあります。TRiDENTの音楽を考える上で参考になります。

5分ほど遅れて開演。オープニングSEはポップでキラキラした曲です。衣装もヘソ出しで派手目なものでした。出て来ていきなり指でハートを作ります。あれっ、こんなバンドたったっけと驚きました。ギャップ狙いの戦略変更でしょうか。

始まってしまえば今まで通りの音でした。3ピースとはとは思えない重厚で迫力ある音です。四つ打ちが多く、ラウドよりのハードロックかなという感じです。部分的にはビックリするくらい凄い音が出てた。たとえばCRY OUTのサビ部分など、ゾクっとするくらいの迫力がありました。ハードロックらしい塊になったような物量感です。スリーピースならではのタイト感のせいでしょうか。こういう音は他のバンドでは聞けません。

全17曲、アンコールを含めて90分で、ちょっと短めのライブでした。

正月にはTRiDENTからサイン入りの年賀状が届きました。これはうれしかったです。チケットはとっくに用意してあったけど、あらためて行くぞという気分になりました。Zeppのコンサートも3500円と超お得です。ライブ会場ではプリクラみたいのもあったみたい。ファンを増やすべく色々と頑張ってるようです。

TRiDENTの音楽にはオリジナリティがあります。けれど、正直な感想として、その魅力を十分に発揮できてなかったように思いました。演奏に力が入りすぎているのです。ハード系のガールズバンドは激戦区です。LOVEBITES、BAND-MAID、NEMOPHILAなど、実力派が揃っており、ライブでは圧倒的なスキルと音圧で観客を圧倒します。しかし彼女たちは5人組です。3人組のTRiDENTが力で対抗するのは難しいように思います。もっと力を抜いて、タイト感を前面に押し出したらどうかと思ったのです。
個人的願望としては、たとえばPOLICEのような音を聞いてみたい。3人組のバンドにしかできない、タイトな演奏です。カバーでいいから一曲聞いてみたいです。ライブのいいアクセントになると思う。ついでに言うと、バラード曲、インスト曲もほしいですね。TRiDENTのようなバンドにはインスト曲も必要でしょう。ライブならではの特別な音楽体験を味わいたいです。
あるいは同期音源を積極的に使う方法もあるでしょう。TRiDENTの美意識ではないかもしれませんが、うまく使えば素晴らしいライブになります。今までは私も同期音源はできるだけ使わない方がいいと思ってました。しかし、花冷え。が上手に同期音源を使って、凄いライブを見せてくれるので、考えが変わりました。こだわることはありません。

勝手なことを言ってますが、無責任な個人の感想です。軽く読み流してください。
楽しいライブでしたが、何かもどかしさも感じています。延長線ではない進化が見てみたいです。またライブに行きます。

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