変わりゆくサマソニ

ロック世間話

サマソニは一番好きなフェスです。
今年はBAND-MAIDの出演が発表された時点で、一日目のチケットを申し込みました。行けるのは一日だけです。二日連続はちょっと辛い。あとは出演者の追加発表を楽しみに待つだけです。

全出演者が決まり、タイムテーブルが発表されると、出演者を吟味しました。残念なことに見たいと思うミュージシャンがあまりいません。海外勢が少ない、K-POP勢の躍進、全体にラップ、ヒップホップ系が非常に多いです。なんかワクワクしません。東京も二日目はBRING ME THE HORIZON、GRETA VAN FLEET、CHRISTINA AGUILERAなど、見たいミュージシャンがいるので残念です。 

みんなはどう思ってるのか?YouTubeでサマソニについてアップしてる人がけっこういるので、ざっと見てみました。ほとんどの人が現状に肯定的でした。すなわち、洋楽は流行っておらず、K-POPは人気なので、こうなるのは当たり前、むしろ運営はよくやってる、そういう意見のようです。ダイノジなどは、素人じゃないから名前だします、「洋楽が少ないと文句言ってるやつは老害。引き出しが少ないから楽しめない」などと言いたい放題です。そんなことで私は怒りませんが、今年のサマソニが本気でいいと思ってるのか、改めて問いたいです。長年サマソニを見てきたロックファンなら、思うところがあるはずです。

ちょっと前までのサマソニには、海外ミュージシャンを呼ぶという使命の他に、日本のロック界を育てたいという、インキュベータ的な志があったように思います。強烈な印象の新人ミュージシャン、知られてないけど実力派の個性的バンド、そんな人たちをたくさん見せてくれました。日本のロックシーンの豊かさと可能性を肌で感じました。刺激になりました。昔話をすると嫌われるので、これ以上しませんが、とにかく色々と楽しかったです。

Early Noise Stageというステージもありますが、Spotifyというフィルターを通した新人アーチストで、評価が担保されたミュージシャンです。かつて、中学生のLi-sa-Xが出演しましたが、今のサマソニでそんな気概があるんだろうか。

海外ミュージシャンの出演料は高騰してるようです。メタリカを呼ぶのはもう不可能でしょう。そのうえ円安ですから、どうにもならないのかもしれません。

それはともかく、花冷え。がまったく話題になってないのが気なりました。
花冷え。は東京は出ませんが大阪には出演します。日本の音楽は内向きのガラバゴス、国際化を目指しているK-POPを見習え、そんなセリフをさんざん聞いてます。
花冷え。は地道に、そして過激に海外公演をしてます。各国のフェスに出場し、Lollapaloozaのメインステージに立ち、本家英国DOWNLOADのセカンドステージにも立ってます。来年のWacken Open AirやReload Fesには早々とラインアップされてます。小さな活字ではなく、ロゴが載ってます。凄くないですか?Coachellaの88枠とかじゃないですからね。ロックファンなら胸熱の事案だと思うんだけど、あまり話題になってません。
しかも女子高の軽音部出身で、ライブハウスから実力で出世しています。プロダクションの企画モノじゃありません。アニメにしてもいいくらいの出世譚なのに、なんで応援しないんでしょう。

花冷え。が趣味じゃないというなら仕方ありません。しかし、音楽評論をする人なら、もうちょっとアクションがあってもいいと思うのです。

サマソニ前日、台風が接近するようで、電車が動いていればいいんですが、祈るしかありません。
ひょっとすると、私にとって最後のサマソニになるかもしれません。

2024-08-04 Lollapalooza 花冷え。ユキナ

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