小規模のライブハウスは興行施設ではなく、飲食店として営業しています。
興行施設とすると消防法の条件がたいへん厳しくなるので、許可を取るのが難しいそうです。そこで飲食店として登録し、ライブは飲食店の出し物とします。だから全員からドリンク代をとって、飲食店の証とするのです。現実には限りなく黒に近いグレーと言えるでしょう。階段がひとつしかない雑居ビルの地下のライブハウスに、300人も集まったりします。そこが安全な訳ありません。私も時々不安になることがあります。実体としては、所管の消防署のお目こぼしのような状態と聞いています。本来はライブバー的な店を対象にするものでしょう。なし崩しの慣例ですね。
ネットを見ていて驚きました。
LYLというガールズバンドの投稿によると
2024年09月25日の三軒茶屋HEAVEN’S DOORのライブで、出演者がフロアで火をつけた。危険なので、今後は同ライブハウスには機材を持ち込んでの出演はしないとのこと。ピンと来ない文章ですが、当該出演者やライブハウス側に配慮した結果でしょう。
こんなことが本当にあったのか?
どうやら、アンチフェミニズムというバンドがやらかしたらしい。人がたくさんいるライブハウスで、油を撒いて火をつける行為がどれだけ危険か、誰でも分かるでしょう。類焼は予期せぬもの。若気の至りかと思ったら、けっこうな中年集団のようです。
紹介文によれば…
ANTI FEMINISM ( アンチフェミニズム )
アーティスト紹介文
「息が詰まりませんか?頭の線切れますよ!いっそのこと犯罪者になってください!!」ビジュアル界のカリスマ KENZI(Anarchist Records代表・THE DEAD P☆P STARSリーダー、ドラム)がボーカルをとる集団。メンバーは決まっておらずいろんなバンドマンが参加。
…だそうです。
NAMIMONOGATARIではコロナの渦中でありながら、アルコール飲食の大騒ぎをして、大顰蹙を買いました。社会的に厳しい制裁を受けました。今回の事件はそんなもんじゃありません。直接人命に関わるのです。大惨事になりかねません。世の中やっていい事と悪いことがある。ワイドショー、政治家などがこれを問題化すれば、消防も対応せざるをえないでしょう。曖昧な解釈は許されません。消防法を厳格に適用することになります。ライブハウス業界は厳しい現実を突きつけられるかもしれません。
これを告発したLYLは悪くありません。ごく常識的な当然の反応でしょう。件のバンドの火付けは、これが初めてではなさそうです。今まで誰も問題にしなかったのが不思議です。
私としてもあまり軽々な事は言えません。これをよい機会にして、ライブハウスの安全環境を向上させるべきなのでしょう。しかし、現実にはライブハウスの大量廃業につながる気がします。それでは困ります。
ため息しか出ません。
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